イマドキの秘書と秘書機能のあり方

年度始めの4月が近づいています。

早いものでちょうど2年前の4月より、私は大学院で秘書にかんする研究を行い、この春、修士号を取得して修了の運びとなりました。

この2年間の学びを経て切に感じている我が国の秘書を取り巻く近々の課題としては、来客応対やビジネス文書などを担当する「間接補佐型秘書」から、参謀的な役割を果たす「直接補佐型秘書」へと転身するための能力開発が急務であるということです。

我が国においては、この間接業務といわれる業務は、一般的には女性秘書が担当するケースが多いのが現状ですが、間接業務の多くは、もはや外注化されたり、AIにとって変わられる傾向にあるため、これらの業務をコアな業務とする秘書は、淘汰されていくことは必定です。

また、このような間接補佐を業務とする女性秘書が、女性活躍推進の流れの中で管理職に昇格しているケースが散見されますが、管理職として活躍するのであれば、間接業務ではなく、後継の人材育成やマネジメントを遂行する能力が不可欠です。

このように昨今の社会の急激な変化を受けて、秘書や秘書機能のあり方も大きく様変わりし続けていますが、いわゆる秘書室や秘書部といった、ある程度の規模の秘書機能をもつ企業では、「総理大臣秘書官」のような組織形態をとるケースが増えています。

つまり、内閣であれば、各省庁から生え抜きといわれる人材が集結して、総理を補佐するように、企業であれば、各部門の実務に精通したスペシャリストが、チームとしてトップを補佐するというスタイルです。

かつて昭和の時代は、経営企画室などを経験した男性が秘書として登用されるケースが多くみられましたが、いまや数字や経済に精通している秘書だけでは、トップの補佐が務まる時代ではありません。

それぞれの専門分野や業務に精通した人材が、チームとしてトップを補佐し支える。

秘書や秘書機能も時代と共に進化が必須である以上、秘書の育成についても新しい流れを創造することが急務です。

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