女性の役員登用における矛盾

本年6月、政府より「女性版骨太の方針」の原案が示されました。

その原案によると、プライム市場上場企業を対象に、2025年をめどに女性役員1名以上とする数値目標が提示されています。

現在我が国においては、去年の7月末の時点で、プライム市場上場企業の女性役員の割合は平均で11.4%ほどと低迷しています。

そこで、このような状況を打開するために、多くの企業が、士業や学術者、著名人といった女性を社外取締役として起用するという事態が急増しています。

なかには、一人の女性が数社の社外役員を兼務しているケースも少なくはないようです。

このような状況が生じている要因としては、まず、“外部起用が即効性があること”が挙げられます。

多くの企業の現状として、自社内では役員どころか管理職すら育っていないため、まずは社外から登用せざるを得ないという事情があるようです。

もう一つの要因としては、“投資家の要求”が挙げられます。

昨今では海外の投資家を中心に、女性の取締役不在の企業トップに対し、株主総会において反対票を投じるという動きがあるため、女性役員の登用を進めざるを得ないようです。

しかし、このような矛盾を生むことが、我が国の女性活躍推進のめざすべき姿なのでしょうか。

抜本的な価値観の変革と、総体的な女性の能力開発が急務です。

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