先日、ある言葉を知り衝撃を受けました。
その言葉とは「労働市場退出者」。
これは、妊娠や出産で、長時間労働ができない女性をさす言葉です。
加えて労働市場を退場する女性は、「(退場している)時間の長さに比例して、職業能力が継続的に低下する」というのです。
我が国のジェンダーギャップの現状については、すでにご承知おきの通りですが、この「日本型雇用システム」が生んだ価値観には、実に驚かされます。
そもそも、女性がビジネス社会で長く働けない要因としては、戦後の政権与党が推し進めた「日本型社会福祉論」に帰結するといわれています。
これは、家父長制度のもと、「女性は家庭を守る“家庭長”である」との女性認識を形成し、本来は国が負うべき育児や介護を家庭内で完結させることで、福祉予算を縮小する政策のことをさします。
いつまで、我が国は、長時間働く人を中心に考えられたシステムを引きずり、グローバル社会から立ち遅れていくのか。
長時間労働を改善するための雇用形態として、「ジョブ型雇用」が注目を集めていますが、そろそろ労働市場の活性化に向け、緩やかな変革をはじめる時が来ているようです。