「女性リーダー」の育成に必要な「2つの視点」

昨年の8月に「女性活躍推進法」が成立し、大手企業は、数値目標や行動目標の策定や公表などが義務化されたため、女性リーダー育成のための研修などが、今後ますます増えるものと考えられます。

そういう私も女性リーダー育成のための「次世代リーダー育成プログラム」を作成したばかりなのですが、女性の育成や教育に関しては、実に多くの課題があります。

その最大の課題とは、女性のキャリアは、どうしてもライフイベントの影響を大きく受けるため、「社会や企業の制度」や「男性の意識」が変わらない限り、いくら育成しても離職するケースが多いという現実です。

とはいえ、女性の活躍推進の実現は必要不可欠ですから、このミッションを実現させるための取り組みは急務です。そこで重要なのは、「育成すべき対象者」のターゲットセグメントです。

通常「次世代リーダー」といえば、白羽の矢を立てた「次の管理職の候補者」だと考えがちですが、そのような「次のリーダー」だけを育成していては、継続的な女性活躍の実現は難しくなります。むしろ必要なのは、「次世代リーダー」の対象を「次のリーダー」だけでなく、「次の次のリーダー」までを対象とし、同時並行で育成することです。

また、女性の育成に関してもうひとつ必要なことは、女性管理職のポストに対して、候補者を一人に絞り込むのではなく、「複数の候補者」を育成することです。なぜなら、女性の人生は選択肢が多い上に流動的であるため、たった一人の候補者だけを育成するというのは、あまりにも無謀です。また、昨今では、とりあえずまず登用して、経験を積ませるのが効果的だとの考え方もありますが、これは、役職が高くなればなるほど、当然リスクも高くなります。

いずれにせよ、企業や組織における女性の育成に関しては、「早いうちから」「次とその次の候補者を複数人」育てること。

女性リーダーの育成には、男性とはまた違う人事戦略が必要なのです。

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