社会の動きと同様、ビジネスのスピードも刻々と早くなっていますが、日本人は特に、仕事に対してスピードを求める傾向が強いようです。
とはいえ、世の中は変化、変化の連続ですから、まずは、仕事をする際に、「到達すべきレベル」と「それに費やす時間」のバランスをよくよく考えて取り組まなければ、とんでもないことになってしまいます。
具体的に言えば、例えば、出張精算のような「作業」と言われる仕事は、早く正確に仕上げてしまうに越したことはありません。
ですが、「思考」を要する仕事をする場合、最初から早く完璧に仕事を仕上げようとすると、思わぬアリ地獄に陥る場合が多いようです。
例えば、上司から、企画書の作成を指示された場合などがそうです。
そのような場合は、決してじっくりと腰を据えて、最初から完璧な企画書をめざしてはいけません。
むしろ、上司の企画書に関するリクエストに対して完全に作り込まず、60%から70%のレベルに仕上げた段階で、関係各所にコンセンサスを取りながら、様々な変化に対応しながら、仕事を進めていくことが重要です。
なぜなら、今のような時代は、実に多くの情報があふれる中で、上司やクライアントも忙しく動いているため、どうしても意見やアイデアが変化することの方が多く、何の手直しもなく、自分一人の意向で仕事が完結するなどということは非常に少ないからです。
ですから、今のような変化、変化の時代に、思考の仕事で成果を上げようと思うのならば、あえて最初から「完璧」をめざさないことです。
そして、イマドキの賢いビジネスパーソンならば、「仕事とは、常に変化をしながら ゴールをめざす生きもの」...その位のフレキシブルな捉え方で、限られた時間を最大に有効に使いながら、いい仕事をしたいものです。