仕事は「重要な仕事」や「自分にしかできない仕事」に「時間の塊」を使う【秘書の仕事術(6)】

社会では、ビジネスパーソンとしてのキャリアも長くなり、仕事に結果を出すことができる人ほど、「仕事ができる人」と呼ばれ、その人に仕事が集中すると言われています。

現に、私が勤務していた広告代理店は、「できる10%の人間が、それ以外の90%の社員の給料を稼いでいる」と世間から揶揄されるほど、できる人には相当の仕事が殺到し、人の何倍もの仕事をしていました。

ところが、昨今では、企業の人員削減のため、一人が抱える仕事量は増え続け、その上ワークライフバランスが叫ばれるようになり、もはやできるビジネスパーソンだけでなく、全てのビジネスパーソンが、限られた時間でより多くの成果を求められるようになりました。

では、そのような状況下で、山のような仕事を抱えざるを得ないビジネスパーソンは、どのようにその仕事と向き合えばよいのでしょうか。

それは、全部自分でやろうなどと思わずに、自分が抱えている「重要な仕事」や「自分にしかできない仕事」にこそ、力を注ぐべきだと私は考えます。

それこそが、ビジネスパーソンとして、キャリアアップすることでもあり、何よりも自分自分のミッション(使命)を果たすことにつながるのだと、私は確信しています。

とかく、仕事ができると言われる人ほど、細かなことにまで気がまわり、なんでも自分でしなければ気が済まない人が多いようです。

ですが、仕事ができるといわれる人の周りでは、人が育たない場合が多いと言われています。

なぜなら、できる人が多くの仕事をてがけてしまうため、その周囲の人たちは、新しい仕事にチャレンジするチャンスに恵まれず、キャリアを積むことが難しいからです。

組織マネジメントの観点から言えば、少数のできる人が組織を引っ張るような体制下では、しばらくは成果もあがりますが、中長期的に見れば、総体的に人材の底上げができず、ひいては組織の弱体化を招いてしまいます。

ですので、ビジネスパーソンとしていい仕事をしようと思うならば、一人で仕事を抱え込まず、優先順位を的確に判断しながら、時には人に任せたり、時には、あえて仕事を手放す、あるいは捨てる勇気をもつことも必要です。

ともあれ、自分にしかできない仕事に力を注ぐという働き方は、人も育ち、組織も栄えるというメリットを生むだけでなく、自分を最大に活かす「ミッションを果たす働き方」であるといえます。

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