仕事量は増える一方ですが、ビジネスシーンでワークライフバランスが叫ばれる今、限られた時間でいい仕事をするためには、それ相当の工夫をしなければなりません。

そこで重要なのが、メールをチェックしたり、出張精算を片付けていくような「作業」の仕事と、仕事の戦略を練ったり、企画書を書いたりという「思考」の仕事をきっちり立て分けて行うという仕事の仕方です。

そもそも、この「作業」と「思考」という性質の仕事は、全く異なる仕事であり、それぞれに求められる能力が違うため、同時にその二つを行うことは不可能です。

となれば、限られた時間でいい仕事を行うためには、「作業」と「思索」を立て分けなければならないという訳です。

そこでまず、作業などの仕事には、時間の塊を除く「細切れ時間」を活用し、思考という性質の仕事を行う場合には、その仕事に集中できるだけの「まとまった時間」と、他者に邪魔されない「環境」を確保することが必要です。

それが、社の経営を担うエグゼクティブの場合であれば、なおさらのことです。

そもそも、世の多くのエグゼクティブは、デイタイムは執務に加え、内外問わずに実に多くの人に会わなければならず、アフターファイブは、夜な夜な接待や会合と、実に膨大な業務を抱えています。

そのような場合、秘書はスケジュールを調整し、時にはボスの所在を隠したり、架空のスケジュールを遂行しているように見せかけて、ボスの貴重な時間を死守するというような裏技を使ったリもします。

ですが、秘書がそのような裏技を使っても、ボスにとっては、情報や知識を分析し思索する時間は十分とは言えず、休日を返上してもそのような仕事を行うエグゼクティブが多いのも事実です。

このように、世の多くのエグゼクティブが、作業と思考を立て分けた上で、貴重なプライベートの時間を割いてまで思考という性質の仕事を行うのは、そのような働き方こそが、仕事の効率と効果を上げる賢い仕事の方法だという証でもあります。

現に、私も秘書時代は、文書作成などの思考する仕事は、静まり返った秘書室で行いながら、接待から帰社し、しばし社長室で独りの時間を過ごし退社するボスを見送る日々を送りました。

今思えば、このようなボスの独り静かな「思考」の時間こそが、いい仕事をするための原動力であり、全ての仕事の質を高めていたのだと実感しています。

 

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