今回の講座は、銀行さまが主催された公開講座で、わかること以上に できるようになることをめざして開催されました。
そもそも 新入社員の皆さんにとっては、一人前の仕事ができるようになるだけでも大変なことですが、私は、新入社員の皆さんにも、仕事をするのならば「プロフェッショナル」をめざしてほしいと考えています。
「プロフェッショナル」といえば、よくスペシャリストとプロフェッショナルのどちらをめざすべきかという議論がなされますが、職業人として重要なのは「プロフェッショナル」です。
では、その二つの違いは何なのかというと、次のような解釈が一般的なようです。
■スペシャリスト=ある特定分野において高度の知識、技術、技能を有した人
■プロフェッショナル=報酬(対価)に値する価値ある役務を提供する職業人
つまり、その大きな違いは、「スペシャリスト」は、自分自身が高い「専門性志向」であるのに対し、「プロフェッショナル」は、顧客が認める価値を提供する「顧客志向」であるといえます。
ですので、スペシャリストは、必ずしもプロフェッショナルであるとは限りませんが、逆に、スペシャリストではないが、プロフェッショナルは存在します。
また、新入社員であっても、プロフェッショナルになることができるのです。
そもそも今の世の中、いくら高い知識や技能があっても、その高い専門性を活かし、顧客の目的や課題を解決し、顧客の満足を得ることができなければ、それは絵に描いた餅と同じです。
ビジネスシーンにおいても、「価値創造」から「価値共創(Co-Creation)」へと進化しているように、今後ますます「顧客志向」は強くなると考えられます。
ビジネスパーソンとして、高い能力や知識はもちろん不可欠ですが、「顧客のために」「顧客と共に」とのマインドこそが、自分自身を「プロフェッショナル」に成長させるのだと、私自身も日々痛感しています。