先日 担当させて頂いた本研修は、ビジネス実務のスキルアップを目的として開催され、「非言語・言語コミュ二ケーション」や「上司と部下のコミュニケーション」「電話を介してのコミュニケーション」などの基本から、ワンランク上のスキルまでを学びました。
今回の研修で興味深かったのは、研修終了後に「始めて知ることが多かった」とのコメントを、実に多くの受講者から頂いたことです。
今や「ビジネススキルは 社会人になってから」という時代は遠い昔で、昨今では「基本的なビジネススキルの習得は 学生のうちに」という時代です。
ところが、最近の傾向として、 本年度の「国語に関する世論調査」の調査結果でも発表されたように、ビジネススキルの基本となる、本来 家庭内で行われるべき「しつけ」がどうしても不充分と言わざるを得ないため、社会人の入り口で、相当 苦戦している新入社員が非常に多いのが現実です。
また、企業側は、入社した社会人に対して、時間と経費を割いて、ビジネススキル以前の「しつけ」から行わなければならないため、非常に困惑し、対応に苦慮しているという現状があります。
具体的には、「敬語の習得」などがその顕著な例です。
文化庁による 平成24年度の「国語に関する世論調査」では、10代から20代では、100%が「敬語は必要」と答えるほど、若年層は敬語を重視し、学ぶ必要を感じているという結果が出ています。
にも拘らず、「敬語を覚える場所は?」との問いに対しては、20代から60代では「職場やアルバイト」、10代では「クラブ活動」がともに約70%で、前回の調査では最多だった「家庭のしつけ」は減少し、10代では35%との結果が出ています。
いくらグローバルな時代だとはいえ、日本の多くの若者が感じているように、「国語」である日本語の習得は必須です。
特に「言語」や「しつけ」は、ちょっと学んだからといって身につくものではありませんから、幼少期の家庭教育において、できるだけ早くから、何度も 繰り返し、繰り返し行うことが重要だと切に感じます。
なぜなら、ビジネスパーソンとして 身につけなければならないことは山ほどあり、入社して敬語でつまずいているようでは、いい仕事をするどころか、一人前になることすら難しいからです。
「鉄は 熱いうちに打て」...これはビジネスのみなならず、「しつけ」においても同様のようです。