京都という町は、長い歴史の中で培われた独特の文化がありますが、過日、京都の紙司を訪れた際に「お多芽(おため)」という文化に出会いました。

「お多芽」は、「おうつり」「夫婦紙(めおとがみ)」とも呼ばれ、関西地方、中でも京都地方の慶事の際の習慣のことで、伺った紙司にも、水引がかかった懐紙や半紙と水引なしの祝儀袋をセットした「お多芽」グッズが販売されていました。

紙司の担当者のご説明によると、「お多芽」とは、自宅にお祝いを届けて下さった方に対して、婚礼の場合は通常は懐紙、その他の祝い事の場合は半紙と共に、一般的には、その金額の一割を祝儀袋に入れて、お持ち帰り頂くという習慣とのこと。

このような習慣は、関東や九州では殆ど見られませんが、これには、訪問の際にかかった「交通費をお返しする」という意味と、領収書をもらう訳にはいかないこの様な場合に、受け取った金額の証明をする「領収書がわり」という意味もあるそうです。

また、「おうつり」の由来は「幸せが広く移っていきますように」、また、「お多芽」は「お祝いを下さった方のためにも」という意味が込められているとのこと。

ところ変われば、習慣もさまざまですが、 相手の交通費にまで心を遣い、幸せが拡がるようにと願う...このような文化は大切に受け継がれて欲しいものです。

2014.4.11(1)